複々線化によるダイヤ改正は成功と言えるのか?
メトロモーニングウェイから綴る言葉とあるように、ちょっとロマンスカーに関連した記事を書いてみました。
今回はダイヤ改正から2ヶ月が経過した小田急の抜本的ダイヤ改正についてです。
快速急行の登戸停車。通勤急行・通勤準急の新設、特急ロマンスカーの停車駅変更などなど、いろいろな変化がありました。
自分が見てきた中でいくつかポイントを絞りだし、大きく7つの項目に分けました。
- ①複々線化のフル活用。登戸停車の恩恵。
- ②新百合ヶ丘がややこしい
- ③通勤急行を利用しよう
- ④経堂⇔代々木上原の緩行線10両停車
- ⑤千代田線の大幅遅延への対応
- ⑥新松田⇒相模大野間の増発
- ⑦モーニングウェイの乗車率
- 総括
①複々線化のフル活用。登戸停車の恩恵。
急行の相互接続
南武線の乗換、乗降客数の多さだけが快速急行の停車駅に登戸を追加したのでは無かったことが分かりました。
その理由というのが、各停を連絡できるだけではなく、快速急行と通勤準急の並走を可能とさせたものです。
登戸停車に追加することで、複々線内での乗り換えが可能となり、これまで準急・急行のみが使用していた急行線に快速急行を充て緩行線に通勤準急。
これまでになかった緩行線の通過という急行と同等の扱いをすることで、実質急行の並走を完成させました。
登戸から代々木上原までの場面で見ますと、まず快速急行を先発させ、一定の間隔を空け通勤準急を発車。そうすることにより成城学園前では通勤準急が急行線3番ホームに到着できます。そこで各停と連絡。
成城学園前から経堂は急行線を走り、3番ホームに着くので経堂でも各停との連絡が可能です。
その先通勤準急は千代田線直通の為経堂から先は代々木上原まで緩行線を使用します。緩行線を走る間に続行の快速急行を走らせることもできるため、朝ラッシュに快速急行を増発できた理由も、緩行線のこれまで以上の活用というわけです。
緩行線→急行線→緩行線という実にアクロバティックな動きですが、この緩行線活用が功を奏してると言ってもいいでしょう。
1番ホームの使用開始による各停・準急との連絡
複々線完成と同時に使用開始となった登戸駅1番ホームですが、ここを使えるようにしたことで和泉多摩川から先で列車集中という遅延のリスクを無くすことができました。更には登戸と向ヶ丘遊園という連続した停車駅があることで急行を向ヶ丘遊園で快速急行の通過待ちという実に謎めいたダイヤとなっておりますが、その答えがその先にある”新百合ヶ丘”にあるようです。
②新百合ヶ丘がややこしい
多摩線はどっち??
これまで多摩線直通の急行は2番ホームで、原則3番4番ホームのみ。特急ホームウェイorメトロホームウェイが3番に停まり多摩線の各停と連絡という形となっておりましたが、このダイヤ改正から多摩線の急行が3番ホームに停車するようになりました。ですが夜の時間帯…快速急行唐木田行きが…2番ホーム???急行が3番ホームで何で快速急行は2番ホームなの??
そして深夜時間帯は新百合ヶ丘から各停に変わる急行が走っている為、2番ホームに各停唐木田行きが停まっています。いくら運転時間が長くなったとはいえ、ユーザーが困惑するのも納得ですよね。
1番2番3番のフル活用
なぜここまで2番3番を細かく分けたのか。それもおそらく新百合ヶ丘での列車集中回避の為でしょう。
夕方から深夜時間帯、江ノ島線に直通する急行・快速急行、またホームウェイ・メトロホームウェイは3番ホームに到着します。
順序としてはこうでしょうか…
①1番に各停・準急
③2番に小田原線急行
ですが、各停や準急は2番ホームにも停車するようですね。一度見たことあるのが、3番ホームに停まっていたホームウェイ号の発車が遅れており、続行の準急が1番で待っているときに2番ホームに各停が追いついちゃったなんて光景も見たことがありますね…列車集中のリスク軽減も度が過ぎたんでしょうか…
③通勤急行を利用しよう
速達性トップはもちろん快速急行です。いくら本数を増やすとはいえ快速急行に集中しては混雑するのも仕方のないことです。そこで使うべきは通勤急行です。新百合ヶ丘→下北沢間での停車駅は快速急行と1つしか変わりありません。それに多摩線始発なので藤沢始発、小田原始発より幾分乗車率は低めです。
新宿到着7:30~8:30で新百合ヶ丘から新宿までの通勤急行と快速急行の所要時間を出してみました。
※(小)小田原方面から (江)江ノ島線から
7:06→7:37 32分 7:10→7:38 29分 7:17→7:46 30分
7:18→7:48 30分 7:22→7:50 28分 7:27→7:56 29分
7:28→7:58 30分 7:32→8:01 29分 7:37→8:07 30分
7:38→8:08 30分 7:42→8:10 28分 7:47→8:16 29分
7:48→8:18 30分 7:52→8:20 28分 7:57→8:26 29分
このように、乗車時間も快速急行と大差ありません。時刻表で見ると快速急行のすぐ後に通勤急行が発車するようです。新百合ヶ丘から新宿へ向かう時、是非通勤急行を利用しましょう。
④経堂⇔代々木上原の緩行線10両停車
複々線完成が単に線路が2本になっただけではなく、これまで8両のみ停車だった豪徳寺→東北沢が10両化となりました。これにより千代田線直通各駅停車が誕生し、直通の増発を実現させました。成城学園前始発や経堂始発の各停がちらほらあるようで、いったい誰が得するんだろうこの各停…とありますが、新宿方面へいくにはとにかく代々木上原で乗り換えろってことでしょうから、その連絡としての各停という意味ではある意味ありがたいのかもしれませんね。
朝ラッシュでも通勤準急が千代田線直通各停と接続を取っているようなので、千代田線への分散乗車にも繋がっているようです。
⑤千代田線の大幅遅延への対応
複々線完成による2線使用開始、朝ラッシュや日中時間帯は向ヶ丘遊園以西千代田線直通を運転しない。
これにより新宿発の急行を極力定時で運転。遅れを緩行線に留める。最悪運休にさせることで千代田線の大幅遅延を極力小田急線に運ばない仕様とはなっております。
千代田線では20分以上の遅延でも小田急線内での遅れを10分未満に収束させるという結果も自分の目で確認はしています。
しかし代々木上原での折り返しが遅れば代々木上原駅構内の列車集中。成城学園前や向ヶ丘遊園での終着駅での列車集中などによる遅れもあるのが事実です。千代田線と小田急線がうまく連携をとって大幅遅延を引き摺らせないか。そこが未だ残る課題だと思います。
⑥新松田⇒相模大野間の増発
これまでは6両各停は新松田までの運転。それ以東は急行のみでしたが、ダイヤ改正により新松田から急行として運転することで、新松田→本厚木間の本数が増え乗車率も幾分か落ちたと思われます。新松田で快速急行の待ち合わせを行い、発車後各停を急行相模大野行きとして運転。相模大野で入れ替えを行い江ノ島線各停に充てることで江ノ島線の本数も確保される。いやはや…車両の回し方がすごいですね。笑
ですが、新松田⇔小田原の各停の本数グッと減りましたよね。いくらユーザーが少ないとはいえ可哀相です…
⑦モーニングウェイの乗車率
町田→新宿と本厚木→新宿で見てみます。あくまで参考程度ですが
町田→新宿
モーニングウェイ90号(6:16→6:29):ほぼ満席
モーニングウェイ92号(6:16→6:48):満席
モーニングウェイ70号(6:26→7:00):満席
モーニングウェイ78号(8:24→8:59):満席
本厚木→新宿
モーニングウェイ70号(6:08→7:00):満席
モーニングウェイ72号(6:22→7:09):空席あり
モーニングウェイ74号(6:51→7:49):満席
モーニングウェイ76号(7:49→8:42):空席あり
モーニングウェイ78号(8:07→8:59):満席
メトロモーニングウェイ(本厚木→大手町)
メトロモーニングウェイ40号(6:29→7:35):満席
メトロモーニングウェイ42号(8:16→9:22):空席あり
座って楽に通勤するならやっぱりロマンスカーですよね。
これを参考に楽な通勤もいかがでしょうか。
総括
いかがでしたでしょうか。混雑緩和・遅延リスクの軽減の為に小田急もいろんな手を繰り出しています。少しでも楽に通勤・帰宅するために早さを取るか空席を取るか確実に座れる手段を取るか。判断はそれぞれでしょう。そのそれぞれの判断が分散乗車による混雑緩和に繋がるというのが狙いだと僕としては考えます。
最善の選択はロマンスカーだと思いますけどね。