変わらないもの
シドに出会ったのは2006年。
14年前。
当時僕は小学生。
出会いはたまたまテレビで流れていた音楽番組。
その時流れていたのが「御手紙」
初めて聴いた時、音楽に全く興味のない自分が感じた「音楽の力」がそこにあった。
言葉にうまく表せない…突然正面から向かい風に殴られたような感覚。
カッコいい。シドって凄い。
シドって何だろう。
当時iPodもなければ家にある古いCDプレーヤーしかなかったので、自転車で30分くらい爆走したところにあるCDレンタルショップに行ってシドの発売されてたアルバムをたくさん借りては聴き込んだ。
「憐哀 -レンアイ-」「星の都」「play」
全然違うシドの色がたくさん散りばめられていて、完全にシドの世界に引き込まれたのを自分自身感覚で分かった。
右も左も無ければ上も下もない…無限の空間でどこから分からないけど全てが違う角度から自分に衝撃をぶつけてくる感覚。
僕の音楽を好きになるきっかけ…すべての始まりはシドだった。
それから「嘘」や「モノクロのキス」でアニメを介してシドの人気がどんどん上がっているのをテレビのCDランキングの常連になっていたことで実感した。テレビの音楽番組出演やラジオ番組の開始など、どんどんシドが自分と距離を近くに感じるようになったことが嬉しかった。人生で初めてお便りを読まれたのもシドのラジオだった。
当時パソコンが家になかったから、学校のパソコンの授業で先生の目を盗んではシドの情報収集を行い、帰り道に近所のコンビニではがきを買っては曲の感想やコーナーのお便りを手書きで綴ったりしていた。今となってはスマホで全て片付くけど、1通のお便りを送る苦労もいい思い出だ。
学生時代、とにかくシドばかり聴いていた。シドをきっかけに他のロックバンドやヴィジュアルバンドも好きになった。
カッコいい音楽に出会って、カッコいいバンドに出会って、新しい音楽に出会うことの楽しさを知ることが心地よかった。
しかし、僕はその当時から抱いていた憧れと苦しみがあった。
まずは「ライブ」という存在。
テレビで放送されたシドのワンマンライブの映像を僕は初めて見たとき、ライブというものが何なのかすら知らない素人だったけど、僕の視界に入ったのは「向こうの世界にいるシドがファンの目の前で曲を披露している事実」だった。
それがとてつもなく羨ましかった。
会場は決まって東京や関東近郊。それに自分は当時学生。遠征なんてできるわけもないしそんなお金あるわけない。部活や勉強もある。
いつか、いつか必ずライブに行くと決めたのはシドに出会ってから3年くらい経ったころだろうか。
ライブに行くという憧れを抱いたまま、僕の学生時代はシドと共に過ぎていった。
そして苦しみ。
それは「自分の好きを言えなかったこと」
当時流行っていた音楽なんて正直興味が湧かなかった。いや、知ってはいたけど聴き込む気にはならなかった。シドのおかげで音楽を好きになれたことが、音楽全てを好きになるには直結しない…音楽にはいろんな色があって、それが自分に合うものもあれば合わないものももちろんあった。
嫌いな音楽はなかったけど、それ以上に大好きの音楽の力が大きすぎた。
だから友達と音楽の話をしても、周りに合わせるだけで自分のことを話しても興味を示してくれないことが悲しかったし共感してくれる人が誰もいなかった。
何それ?変なの。
うわなにこれ、見た目微妙じゃん。
自分の好きなバンドをことごとく否定されるのが悔しかったし辛かった。
今みたいにTwitterなんてSNSもないしやってもなかったから、誰にも自分が伝えたいシドの魅力を伝えられなかった。それがすごい悔しかった。そんな悔しい思いを忘れるくらいの魅力がシドにはたくさんあったから、「自分が好きならそれでいいや」ぐらいの気持ちでシドの音楽と向き合い続けた。
2013年。
僕は東京で一人暮らしを始めた。
バイトも始めた。自分で自分の生活を賄うようになった。
東京ならいろんなライブに行ける…シドに会えるという期待感が最高潮の時だった。
ちょうどその年はシドが10周年という大きな節目の年で、横浜スタジアムでのライブを皮切りに全国野外ツアーが行われた年だった。
ずっと指食われて羨ましがってた自分じゃない。
あの頃とは違う。
自分で調べられるし自分でいろんなところに行ける。
そして唯一当てることができた10周年ライブ野外ツアーの仙台公演。
それが自分にとってのシド初現地だった。
全てが嘘のようだった。
とてつもない大きなサウンドとライブでしか味わえない胸の高鳴り。
何より「目の前にシドがいること」が嬉しかった。
初めてシドの音楽に出会ってから7年が経って、ずっとずっと夢見てた瞬間がようやく訪れた。
正直初めてのライブは周りの動きが凄すぎて波にのまれっぱなしだったけど、ライブが進むにつれ自分もその中に自然と溶け込んでいて、気が付いたら「めちゃくちゃ楽しい」しか出てこなかった。
歌声もサウンドもCDとは違う…これがライブなんだ…ライブって凄い!
シドに出会えた感動とライブの感動と1回のライブでもらったものは、叶えた夢と新たな衝撃だった。
それから数年が経ち、今に至る。
ライブだけじゃない。握手会やトークショー。
自分でできることが増えていくたびに、シドに会える機会も増え、どんどんシドが好きなっていく。
今でもすごく不思議な感覚。
小学生の時に聴いた音楽を今でも聴いていて、好きの気持ちが薄れないこと。
好きって気持ち一つをここまで絶やさず来れたこと。
それは自分が好きでいられたからだけじゃない。
昨今はTwitterやブログで自分の気持ちや好きを発信できるツールがある。
共感してくれる仲間も見つけやすくなった。
誰かはきっと見てくれる。そんな人にでいいから自分の好きなシドを伝えたい。
学生の頃は、大好きの気持ちを素直に曝け出せないことがすごいもどかしかった。
シドって凄いんだよ!いい曲がたくさんあるんだぞ!
言いたいのに言えないもどかしさしかなかった。
それでも今、いろんなものに救われて自分の好きを表現できている。
「大好きを否定しないこと。大好きを広げること」
だから、僕はシドが大好きだーっ!!って気持ちを発信し続けた。
それが実ったのか、2019年。初めてシドのライブを「誰かと」行くことができた。
隣にいたのは「ラブライブ!繋がりで知り合った人」
自分の好きを分かってくれた人、分かろうと動いてくれた人がいること。
それがとにかく嬉しかった。自分だけじゃないって思えたこと。昔は殻に閉じこもっていて、好きの気持ちを誰にも言えない苦しさと戦っていたけど、今は自分の好きをたくさん話せる。それを続けたから今があるし、これからももっとシドの魅力は発信しつづけたい。
学生時代の自分が今の自分を見たら、きっとめちゃくちゃ羨ましいことしてるって思っているだろう。
それでも、僕は学生時代にその羨ましいって憧れをずっと持ち続けたから初めてのライブの景色を今でもはっきり覚えている。
好きでい続けたことは原動力となり他のコンテンツでも力になる。
なにより、シドが今でも高みを目指してバンド活動をしてくれることが好きでいられる一番の力。
今年でシドは16周年。あと4年で大台の20周年。
僕の人生の半分以上はシドと一緒だった。これからもシドと共にいろんな世界を見に行きたい。
もっともっといろんな人にシドの音楽を触れてほしい。
シドに出会わなければ見えなかったものもあったし、僕の憧れにも出会えなかった。
metromorningway.hatenablog.com
僕にとって一番の憧れ。目標。目指したいところ。
その光となってくれた人。
どこまでも追いかけていく。まだ見ぬシドの世界を知りたい。
シドに出会えて良かった。
大好きを貫き続けて良かった。
大好きの気持ちって…永遠に変わらないんですよ。