音楽朗読劇シラノで見せられたモノ。魅せられたモノ。
こんにちは。
8月8日~15日、TOKYO FMホールで開催された「音楽朗読劇シラノ」
僕にとって人生初の朗読劇…音楽朗読劇の観劇。
全13公演中3公演を観劇させていただきましたが、期待を胸に臨んだそのステージは想像をはるかに超えた世界を見せられ…そして魅せられるものがありました。
今回は音楽朗読劇シラノの感想・自分で得たものを思うがままに綴っていきます。
Ⅰ.物語のあらすじ
17世紀のフランス。ガスコン青年隊のシラノ・ド・ベルジュラックは詩人で理学者で剣客で、豊かな才能と強い正義感を持った武勇者だったが、生まれついての偉大な醜い鼻ゆえに従妹のロクサーヌへの恋心をじっと胸の奥に押し隠している。
ロクサーヌはシラノと同じ青年隊の若き精鋭でかつ美男子のクリスチャンを想い、シラノに恋の相談をもちかける。同じくしてクリスチャンもまたロクサーヌに想いを寄せており、シラノは心ならずも二人の恋の仲裁役をつとめることになる。口下手で文才のないクリスチャンに代わり恋文を代筆し、告白の後ろ盾をするシラノは同時に自分のロクサーヌへの想いを重ね合わせているのであった。やがてシラノの尽力が功を奏してふたりは結婚するが、宿敵ド・ギッシュ伯爵の策略によりシラノをはじめとするクリスチャンらガスコン青年隊は戦場送りとなってしまう。
しかし戦場に訪ねてきたロクサーヌの目前で夫、クリスチャンが敵弾に倒れてしまう。
15年の歳月が流れ、夫を失ったロクサーヌは修道院で暮らしており毎週土曜日に訪ねてくるシラノとの面会だけを楽しみにしていた。しかしある日、頭に重い傷を負った姿で現れたシラノはクリスチャンの生前最後の手紙をロクサーヌに読み聞かせる。ロクサーヌはこの時初めて、これまでの手紙の主が実はシラノであったことに気付く。だが瀕死のシラノはロクサーヌに己の秘めた想いを決して告げることなく、最後の力を振り絞り勇姿をみせる。そして死がすぐそこまでシラノに近づいていた。 (引用先)
ただここで。
この先、作品についてのストーリー感想は95.193%述べません。
Ⅱ.朗読劇の世界
音楽朗読劇という「BGM」「声」「衣装」この三要素だけで物語を作り上げるとどうなるんだろう。
その答えは自分の全く知らないものを見せられるという”驚愕”と”興奮”と圧倒の連続攻撃でした。
世界の名作を、朗読劇だからこそ表現可能な朗読劇として翻案する。
映像や特殊技術の発展した21世紀だからこそ、”物語を紡ぐ”ことの原点に戻り、余計な装飾は行わずに衣装でキャラクターや時代設定をを伝え、最小限の美術と照明だけで、物語を。場面を、そしてキャラクターを自由に想像してもらいます
-翻案・演出 田尾下 哲氏
この朗読劇のサイトに載っていたお言葉ですが、この意味を理解できるのはおそらくこの舞台を見た人だけ。もしくは別作品で音楽朗読劇に触れた人間だけだと考えます。僕はこの言葉の意味を最初は理解できませんでしたし、そういうことだったのかと納得できたのは言うまでも無くこの公演を観劇し終えてからです。
少なくともあの会場300人のオーディエンスが描く物語はきっとそれぞれの色があり、300通りの世界観が生まれたんだろうと思うだけで、表現する要素が少ないほど自分で描ける選択肢や色が増すんだな…と思いました。
Ⅲ.目の当たりにした”声優”の真骨頂
僕は当初伊波杏樹さんが出演するから…という安直な理由で観劇を決めました。
もちろん音楽朗読劇という見たことのない新しいモノに触れるという好奇心からも行ってみたいという決め手とはなりましたが、そこまで難しく考えてなく気軽に身構えていました。
ストレートに言います。ナメてましたね。
声の迫力がめちゃくちゃスゴいんですよ。台詞を読み上げる姿勢。一音一音はっきりと言葉にする姿。
普段垣間見えることのない声優さんの力をここぞとばかりにぶつけられました。
BGMや雰囲気に声色を変幻自在に操り、たった1人の声がここまでの世界を築き上げるのか…画面越し、その先で声を当てている声優さんの力を間近で見ることができ、目で見て…耳で感じ…肌で触れることができたのが自分にとってかなり大きな収穫でした。
初めは伊波杏樹さんの主演する公演だけ観劇しようと考えてましたが、8月8日の公演を終えてその考えがガラっと変わり…
(別のロクサーヌも見てみたい)
この発想になり、8月9日の公演に参加することを決めました。
もちろんシラノとクリスチャンの2人の役が変わればそこでもまた新たな物語が構築される。それは承知の上でした。
もともと田所あずささんのことは昔から声優として知っていて、いつか一度でいいから何かしらの形でお会いしたいなぁ…とは思っていましたが、このシラノに出演することを知ったのは伊波杏樹さんが出演すると発表があった直後でした。
これはいい機会だ。でも伊波さんの公演に絞っておきたいし…うーん…
と迷ってたものを吹き飛ばしたのが最初の公演でした。
俳優の個性によってキャラクターの描き分けも十人十色で
異なる組み合わせや俳優によって、同じ台本でもまるで違う作品のようにお楽しみいただけるのもこのシリーズの特徴です。
-翻案・演出 田尾下 哲氏
まさにこの通りであり、僕の選択は間違いじゃなかったとこの紹介文を読んで思いました。全く違った世界を見せられ、そのキャストさんの凄さにも触れられる。
音楽朗読劇の楽しみ方がこのシリーズではこういったマルチキャストという点も含まれるからこそ何倍にも楽しめるんだと思いました。
8月8日公演(シラノ:岸尾だいすけ クリスチャン:小松昌平 ロクサーヌ:伊波杏樹)
8月10日公演(シラノ:石川界人 クリスチャン:濱野大輝 ロクサーヌ:田所あずさ)
8月15日公演(シラノ:岸尾だいすけ クリスチャン:小松昌平 ロクサーヌ:伊波杏樹)
Ⅳ.最後に
伊波杏樹さんの初めての音楽朗読劇出演。その最初の公演に行けたこと。今でもとても嬉しく思います。
初めてとは思えないくらい堂々とした演技。そして舞台やステージなど多彩に活躍してきた場所からこの朗読劇にも活かされるかのような細かな表情。
そして綺麗なドレスを纏ったその麗しき姿は、見るものすべてを虜にさせるほどに美しいものでした…
伊波さんの台本を読み上げる姿がとても新鮮で、一つ一つの台詞をハキハキと音に出す姿を見て思ったことが(これを倣ってみよう…)
というのも、僕の仕事で声を出して情報伝達をするというタスクがあり、その時なかなか文章を読み上げるのも上手になれず、どうすれば変わるんかなぁと試行錯誤を繰り返していたのですが、あの伊波杏樹さんの台本を読み上げる姿を見て
(これだ…)
と決めて、次の日の仕事から早速意識してみました。
その効果はすぐに表れ、僕のスキルを格段にあげてくれました。
こんなに意識するものを変えるだけで変われるんだ…と自分の変化に自分でも驚きでしたwww
だから伊波さんは自分の知らない世界に連れて行ってくれる。その先にある新しい何かを見せてくれる。それがこの朗読劇にもあったんだ…それがとにかく嬉しかったんですよね。
いろんな場所での活躍できる場所が増えてきて、どんどん進み続ける伊波杏樹さんをこれからも追いかけていきたいし置いて行かれないようにしないとって改めて思えた。
そんな音楽朗読劇シラノで満たされた8月の夏でした。
朗読で描く海外名作シリーズ
— 伊波 杏樹 (@anju_inami) 2018年8月15日
『シラノ』千穐楽!
本当にありがとうございました❁
人生初めての朗読劇が
この作品で。
ロクサーヌと出逢えて
本当に良かったと心から。
皆様の胸にも大切に
残っていきますように…っ
シラノ様、
クリスチャン、
そして、皆様へ
愛を込めて…。🥀#シラノ pic.twitter.com/X29VMX4Ikj